空気が澄んで、よく晴れた一日でした(昨日の夜も星がよく見えていました)。
暮れに買った3冊のうちの1冊、海野弘『陰謀と幻想の大アジア』を読んでいます。
満州国にユダヤ人の国を作る計画があったとか、極東日本と、アジアとヨーロッパの境界に位置するハンガリーをつなぐツラン運動とか、妄想と紙一重だけど、しかしなにもなかったかのように今闇に葬り去ってもいいのですか、というような論調の文章が続いています。ここでの著者の立場は昔の白柳秀湖など、いわゆる民間史学者と呼ばれていた人たちに近いものを感じさせます。私も往年の民間史学者たちはもっと評価されるべきだと思っているので、その意味では著者の立場に賛成。ただし題材のおもしろさの割には文章が同じところを行ったり来たりしている感じで、あまり先へ進んでいるように見えないのはどうしてでしょう。