このDVDを最初に見たのは横トリ2005の時。ビールを飲みながら事務所のパソコンで見たが、当然誰もおもしろがってくれなかった。それはそうだ。私もまた、音楽がせつなくて、いい感じなのに、内容はどうにもならないひどい映画だと思っていた。しかしフェルディナンド・バルディはそんなにひどい監督ではない。そして今回初めて気がついたが、私は今までこの映画を最後まで見たことがなかった。屋敷が燃え落ちるところは知っていたが、母親が本当の母親かどうかは結局分からず、妹にしか見えない姉は死んだのか生きているのか、どちらとも分からない。そうか、こうなって終わっていたのか。マカロニウエスタンには役者が良ければまだなんとかなったのに、と思える作品が時々あるが、これはその典型的な一作。最後のシーンはそれなりに盛り上がってはいるが、一方で、全編、とにかく主人公の魅力のなさ、力不足が足を引っぱって、結果的に全体がぼろぼろとそのラストシーンのように崩れ落ちていく(と、今さら40年前の映画に文句付けるのも変だが)。
追記:このままでは主演のレナード・マンがあまりにもかわいそうなので追記しておくが、『ガンマン無頼/地獄人別帖』(?)の彼はわるくなかった。その後『スター・ウォーズ』のパクリSFにどうでもいいような役で出ていたが、マカロニウエスタン終息後のマカロニ俳優たちを見ているとちょっと悲しくなることがある。