平均1日1編、時々休み、のペースでようやく読み終わった。もともとカート・ヴォネガットの熱心な読み手ではない。『タイムクエイク』はとても面白かった。題名は忘れたが、何かエッセイ集のような本も拾い読みしていたが、全部は読んでいない。『タイタンの妖女』は20年近く前にニューヨークで読んだ。川俣正に何か最近の本を持っていないかと聞かれて、私がSF小説1冊だけ持ってニューヨークへ来たと分かってがっかりしていた。私のヴォネガットは今のところ以上。
この本の最後に彼は自らの出身地であるアメリカ中西部にまつわるエッセイを書いているが、その中で中途を省いて引用するが、とてもまともな一言を書いている。「芸術への参加は(中略)自己の魂を成長させる方法なのだ。」私は長い間芸術の近くで仕事をして来た人間だと思うが、いったいなんのためにということを、やはり忘れたくはないと思う。