今でもそうだが、福岡では若いアーティストのほとんどが貧乏だった。そのためお金をかけられない部分はお互いに助けあってなんとかした。東京や横浜でも事情は同じだと思うが、どうも必ずしもそうではないと思うことがある。それは競争心が先に立つためだろうか。人の手伝いは求めても、自分は人の手伝いはしないというタイプのアーティストがいることをこちらに来て初めて知った。いずれは因果が自分に降り掛かって来るという意味ではあさはかな話だ。アーティストの大きさは誰が見ても分かる。小さなやつほどうまくいかないことを周りのせいにして文句ばかりのたまう、というのが私の福岡時代の経験でした。