あまり体調がよくない。疲れているのか、神経がまいっているのか、多分両方とも来ている。休みなので片付けものをしていたら、あっという間に午後になっていた。花田清輝の『映画的思考』が2冊あった。しかも片方には歌麿の「ビードロを吹く娘」と写楽の切手が1枚ずつ挟んであって、子どもの頃のあこがれの気持ちが一瞬よみがえってきた。50年以上前、博多のデパートのショーケース越しに見て以来の再会だった。
午後から白楽に出かけた。私にとっては伊勢佐木の散歩に次ぐ遠出。ポケットに新潮文庫の『失われた時を求めて』の最終巻を入れて行く。プルースト(語り手)がその芸術論を語る部分。行きの電車ではこれを読んで、帰りは鉄塔書院で買った加地伸行の『「史記」再説』のあとがき以降の武田泰淳批判の部分を読み続けた。