それにしても盗作騒ぎはまだ尾を引いていました。従来の画質が悪かったのは日本国内で使用出来るソースが制限されていたためだそうです。
当然画質は格段に良くなっています。イーストウッドとボロンテが初めて対面する中庭の場面でふわふわ飛び交っていた白い綿毛もきれいに見えます。これが見たかったのです。
拷問シーンや要するに痛そうなところが従来版より少し長くなっていますが、たしか昔映画館で見たのもこのヴァージョンだったはずです。主人公がひとたび死に至りながら、やがて復活して今度は不死身となって戻ってくる、という流れの伏線として、この痛そうな場面をあまりカットしてしまうと、ラストの「死なない!」という驚きが少し薄れてしまいます。だから今回のほうが正解です。
音声解説はレオーネ研究の第一人者クリストファー・フレイリングです。彼の著書は綿密な調査を踏まえたとても面白い内容なのですが、やや残念なのはレオーネ作品以外のマカロニウエスタン全般についてはあまり関心を持っていないようで、あくまでもレオーネ中心主義です。
アメリカTV放映用のプロローグとか、貴重だけど笑ってしまいそうなおまけもついて、楽しいボックスになっています。