肝心の仕事が進んだのかどうか分からないうちに夕方になり、その頃からしばらく憂鬱な気分が続きます。思い切り眠くなるのもこの時間です。何かに介入しようとする意志というか、それが見えなくなってしまう時間です。今日一日かけて近づいたものから、再び少し遠ざかるような。
今日は午後からアートリエに来ました。コピー機でワークショップ用の材料作りをやってみる。なんとかなりそうです。そして『美わしき野生』の続きをまた少し読みました(こんな日本語タイトルはもうなくなるかな)。私はおととい裏紙に書いたプロジェクトプランをもっと詳細にしたいと思いながらゴーガンの考え方も多分今考えているプランに関係がありそうだと思えてきて、このふたつのつながりを頭の中で追いかけていました。
終日寝そべってぼんやりと海の方を眺めるゴーガン。いつのまにか陽は沈み、あたりは真っ暗になっています。彼はそれでも暗闇を見つめています。この怠惰とセットのような現実と想像の二重のヴィジョン(なつかしい言い方だ。ウィリアム・ブレイクのお得意の言葉です。)を彼はひとつにまとめようとします。それは一見ばらばらに見えるようなまとまりです。
そう、プロジェクトとは想像による現実への介入だ、と一応自分の中で話をまとめ、さてではアートとは、と考えた時私は私の議論の始まりに戻ってしまったと思いました。それはたしか最初にに書いておいたような気がします。
こんな風に先へ進んでいたはずのことが少し逆戻りしているのが夕暮れ時の状態なのでした。