この界隈で本屋さんと言えば有隣堂で、巨大書店というわけではないが、なんとなくものは揃っていて、急ぎ本棚をチェックするには手頃な大きさでしょうか。たまに福岡に戻ってジュンク堂に寄り道すると、その物量に圧倒されます。その上、しばらく前にレイアウトが変わって、老人初心者にはもうなにがどこにあるのかよくわからなくなってしまいました。
私は基本古本屋さん専門ですが、最近の新刊屋さんもかなりおもしろくて、こんな本が、というのもあります。先日有隣堂の3階で人相学、観相学の本を見かけました。ラヴァーターとかそのあたりのことを調べたものでした。これはまだ購入していません。平凡社ライブラリーは思想家や文学者のセレクションシリーズのようなものをいくつも出していますが、最近ではプルードンが出ました。これは買ったけど、まだ読んでいません。『神もなく、主人もなく』という松岡正剛氏絶賛のアンソロジーを読んでからということにしてます。平凡社と言えば70年代に写真新書というシリーズを出していましたが、古本屋ではかなり安い値段で買えます。その中の何冊かを買ったのですが、結構楽しめる内容でした。春山行夫の『西洋雑学案内』全2冊は中でも大変面白い本です。著者はありとあらゆる分野の文献を収集し、その文献の中からエピソードを拾って紹介する、というパターンで、要は『一旦書物の形に置き換えられた情報』の収集家だと言えるでしょうか。だから蝶についての記述は本物の蝶について語るわけではなく、蝶の図譜やコレクションについての記述などに言及しながら、結局、すべては本についてのエッセイ、ということになっています。