イエイツの晩年の詩にはいつも胸を締め付けられそうになる。若いときの華やかな夢がいつのまにか憂鬱な現実へと変わり、その隔たりに驚く。老人になるとはそういうことだとイエイツは繰り返す。人にかけていた若き日の期待は裏切られ、自らに対する期待もまたそう。しかしそれでもなお、彼は自分の墓碑銘を作品として残すまで詩作を続けた。
生きるというのは本当にむずかしい。平静を保とうとしてもバランスはすぐに崩れる。それはほんのわずかな時間しか続かない。それでも仕事は続けなければならない。彼がいうように、出発にふさわしい終わりなど、ただのひとつも見当たらないとしても。