昨日の飲み会は何とも濃いメンバーであった。アーティストは小沢剛、高嶺格、さとうりさ、マーク・サルヴァトス、そして彼の友人の初対面マーロン・グリフィス(トリニダート・トバコだそうな)。そして窪田研二さんにいつもの太郎に、加えてそれぞれの関係者、スタッフが集まって、また調子に乗って飲み過ぎた。
こんなときほど翌朝早く目が醒める。でもまだ気持ちがわるいので本を読もうとしてもなにも頭に入らない。ゴーゴリ全集の『ディカーニカ近郷夜話』を読みかけるが、翻訳文の文体が凝っていて二日酔いには向いていない。試しに『死せる魂』を取り出して冒頭を読んでみると、うって変わってこちらは快調なテンポで物語が始まる。どちらも馬車の描写から、というのも面白いが、映画に喩えると。前者はていねいに描き込まれた昔のアニメーションを見ているような感じで、後者は才気走った監督が手腕を発揮してあっさりと観客を物語世界へ引きずり込んでしまうような簡潔な出足だ。