休みをもらったので午後から神保町に出かけた。神保町の古書店は、本来日曜日が休みだが、青空市の開催中ということで開いているはずだと信じて行ってみたら、やはりほとんど開いていた。ただし到着と同時に雨がぽつぽつと落ちてきて、屋外に並んでいたワゴンは一斉に片付けが始まり、一部の店は店舗まで閉め始めたので、まあ中途半端な古書店巡りになってしまった。しかしそのおかげで普段あまり行かない、いわゆる老舗ではないところを歩いたので、それはそれでおもしろかった。ハヤカワミステリーとか、神保町では絶対買いそうにないものも買ってしまった。神保町のいいところは本屋さんのプライドが高いことだ。だからいい本は徹底的に高くするかもしれないが、中途半端な本や専門外の本については、こんな本、高くする価値はないとばかりに見捨てられている。昔はもっとそうだった。
ブレイクの銅版画入り、エドワード・ヤングのNight Thoughtsが30万円で売っていて、こんな金額でいいのかな、と思ったこともあれば、柳宗悦のかなりぼろぼろに痛んだ『ウィリアム・ブレーク』をいくらですか、と聞いたら、鼻でせせら笑って、返事もしてもらえなかったという経験もある。どちらも多分プライドなのだ。