前回書いた韓国行き前後のことを記録しておく。仕事でなければ東京にもなかなか行こうとしない私にしては最近よく動いていた、という話。10月22日は六本木アートナイトに出かけ、その翌日同じ駅で降りて日比野克彦さんと森司君が進めている『TURN』シリーズのトークに参加した。お二人の他に吉本光宏さんと芹沢高志さん、そして私。日比野さんの80年代に大きな状況の変化があったのではないかという話をきっかけにして、当初の予定からずれてしまったが、私は80年代から90年代にかけての福岡の変化について紹介し、現在の状況の原型となるようなことがそのころ準備されたのではないかという話をした。その後10月29日に黄金町のSITE-Dの小さな集まりで『アートプロジェクトの歴史』について話をしたが、このときはもう少し時間があったので福岡のことを時系列を追いながら説明した。
11月11日は国立駅の高架下のカフェでフォーラム『地域アートの楽しさと難しさ』に参加。お話の相手は藤田直哉さんと坂野充学(みつのり)さんで、話題は地域アートの楽しさというよりは、相変わらずの拡大再生産の現状も含め、地域アートの何が課題であって、そこに何か可能性が見いだせるのかという方向へ話は向かった。地域アートにアートの概念を変える機会があるとすれば、それは現在のような地滑り的な拡大の結果としてか、あるいは何らかの自覚的なアートについての再定義が行われることによってか、いずれにしろどちらを選択するかによって、おそらくその先が大きく異なることになるだろう。
最近話題のテーマであり、またその発信源ともなった藤田さん自身がスピーカーの一人ということもあって、会場は満員だった。
そして11月13日から1泊で県北(正式の表記はどうだったか)の美術展(あるいは芸術祭?)にスタッフやアーティストと出かける。あまりに広範囲で作品はほんの一部しか見ていないが、ほとんど観光気分というか、割合としてはそちらの方が大きかった。
その後先日すでに書いた韓国行きを挿んで、11月26日に開催された横浜市大とヨコトリの連携講座で逢坂さんが来年のヨコトリについて話し、私は黄金町の取り組みを紹介した。そして翌22日は駆け足でさいたまトリエンナーレを見て回った。アーノントのライブに立ち会い、アピチャポンと小沢剛君の映像作品を見た。小沢君は一気に完成度を上げていたし、アピチャポンもすばらしかった。アピチャポンと言えば横浜美術館の扇風機の作品はまるでブレイクが見たであろうヴィジョンのように輝いていた。
ということで続きは札幌ということになる。