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以下の文章は今回福岡に帰った時に見つけたもので、B5サイズのノート3枚分を破り取って、手紙やDMなど他の紙類の中に折りたたんだ状態で挟まれていた。内容は1994年の東京の出来事で、もう少し調べれば正確な日にちも分かると思う。資生堂ギャラリーでは「亜細亜散歩」のオープニングが行われていた。
再録するにあたり、実名を出すかどうか迷ったが、記録のためにそのままにする、という方向を選ばせていただいた。名前が上がっているみなさんにはご迷惑かもしれないが、お許しください。表記の不統一と誤字脱字を直し、苗字だけで表記していた人の名前をフルネームにしたところもある。また一部失礼な発言もあるような気がするが、当時の私の未熟さゆえということで、どうぞ寛大に見過ごしてくださいますように。 4時40分頃銀座着。モリスギャラリーで白川昌生さんの作品を少し見たあと、ディスカッション会場へ行く。作品は希薄な印象。彼のやっていることが果たして有効な方法なのかどうか分からない。ディスカッションはもう終わりの方で、参加者は20人程度。小倉正史さんと竹下都さんが来ている。白川さんそっくりの人が居て、お父さんだろうか(それとも兄さん)。白川さんをはさんで両側に椹木さんと北沢憲昭さんが座り、話は日本のモダン、モダニズムとは何か、に終始する。ポストモダンとモダン、アヴァンギャルドとモダンの問題について、主に岸田劉生と村山知義を例にしながら話が進む。白川さんがあまりに日本という枠組みを持ち出すことに、北沢さんからのつっこみも出る。日本の美術の流れに継承性がないことなど、共通認識はあったが、何となく話はかみあっていない感じ。白川さんの前提は硬直しているように感じられてきゅうくつ。北沢さんは美術史家的なところは相変わらずだが、劉生、知義の整理についてはさすがに専門家。椹木さんがこの席ではポストモダニストの役割をふられているようだったが、話は割合明晰で分かりやすい。小倉正史さんは私に「7時頃資生堂へ行きます」と耳打ちして中座。話は5時半頃終わった。竹下さんに挨拶して外へ出る。同じ時間に同じビルで蔡(國強)さんのスライドレクチャーをやっていたらしい。建物を出たところで伊藤憲夫君に会う。一緒に資生堂ギャラリーへ向かったが、彼は先にモリスに行くことにして別れた。ギャラリー入口でまず費(フェイ・ダウエイ)さんに会った。抱き合って再会のあいさつ。それから黄(ホワン・ヨンピン)さんをつかまえる。彼は少しも変わっていない。私の体のことを心配しているようなので、「だいじょうぶ」と言ったら、笑って答える。蔡さんは来るかもしれないと思っていたようで、「来ましたね」という感じ。彼が一番いそがしそうに動き回っていた。二人の作品は周さんという占い師をテーマにしたもの。いずれもその占い師を信じているのか、信じていないのか分からないようなスタンスの作品。特に黄さんは相変わらず皮肉屋のところがあっておもしろい。(細かいことはパンフレット参照のこと。注:ここで私は自分で描いた会場の大まかな見取り図を挟んでいる。) 以下いろいろな会った人たち 加藤さん(アサヒビール)→宮本初音のことを聞いていた。 熊倉夫妻→費さんとの話を通訳してくれた。2月宮本が東京に来ればインタビューしたいとのこと。 ギャラリーQ上田氏、栗山明氏、水戸の清水敏男さん、森司君、逢坂さんは姿は見たが話できなかった。南條さん話できず、埼玉県美田中幸人館長、中村さん、帯金章郎、来週からアメリカ出張とのこと。疲れている。田所政江さん、岩波から『現代中国辞典』の大冊が出る。その美術の分を書いているとのこと。「非常口」のことも書くそう。出るのは随分先。斉藤美奈子さん、アーティスト。前にあったことがあるような、ないような。荒木隆久君、帰る帰ると言いながらなかなか帰らず。会場のVTRは彼が作ったもの。甲斐さん、あのなつかしい彼。結婚して奥様と子どもさんが来ていた。横浜美天野さん、髭を剃っていた。山口勝弘、李さん等々その他。誰から聞いたか忘れたが、東京都美術館の女性の学芸員がMCTの森村さんの展示を絶賛していたとのこと。 パーティー終了後、小倉、田所、帯金、伊藤と中華料理屋で食事。食べ過ぎで入らず(残り物を包んでもらっていく)。10時ごろ店を出て、地下鉄で中目黒川俣事務所へ向かう。11時少し前到着。マンションの窓から川俣が顔を出している。直後にP.H.4人と村田真君が到着。川俣はヘルニアが出て痛そう。池田君は爆発しそうに太っている。昼間はずっとヒルサイドで仕事をしているらしい。ビールと甲類焼酎であまり飲めず、先にダウン。 話題は仕事のことから病気の話、その他。3時頃村田宅へ引き上げた。 以上。
by kitanakaw301
| 2019-03-29 16:42
| 昔の記録
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