長いこと前振りして来た書斎のことを書きます。長くなったら途中で投稿し、また続きを書きます。
私の書斎はもともと父がアトリエとして使っていた場所でした。そのため普通の住宅より少し天井が高くなっています。父がこの場所を使い始めたころはまだスペースにも余裕があり、蔡國強や岡部昌生さんなど、福岡に来た時はよくここで寝泊まりしていました。しかしやがて絵を描くスペース以外は足の踏み場もなくなり、父が倒れてからは完全に物置状態となって放置されていました。それを父の死後、長い時間かけて片付け、椅子や机を入れて、私の書斎に仕立て直したわけです。
机に坐ると正面の壁全面に本棚があります。父はここに本だけではなく、小さな彫刻や骨董まがいのものを置き、天井下の棚は前にせり出してキャンバスを収納するようになっていました。
今ではそれがすべて本棚になっています。もともと中央に1800×1800くらいの窓が切ってありましたが、そこもつぶして本棚にしました。
私が持っている本の冊数はそれほど膨大とは言えません。せいぜい数千冊だと思いますが、それでも部屋ひとつに入りきれないほどになります。やむをえず、別の部屋のあちこちに吸収してもらって、なんとか氾濫をふせいでいます。
私は長い間自分の居心地のいい場所を作ることが出来ませんでした。で、こんどこそは、と机や椅子を選び、エアコンを入れ、照明も付け替え、ネットも出来るようにして、とにかくこれまでで最大の努力を払った結果が今の書斎なのです。
ところがこれが落ち着かないのです。