私が子どもの頃、美術について最初に関心を持ち始めたときに出会った本が伊藤廉の『絵の話』でした。他に子ども用の本としては岡鹿之助や内田巌の本がありました。。伊藤廉の本は分かりやすい上に、子ども心にもなんとなく藝術の品格のようなものを感じさせてくれて繰り返し読みました。父が買ってくれたものだったかどうか覚えていませんが、おざなりとは言えない本らしい体裁をしていました。
ところで、先日買った『セザンヌ覚書』を横浜の事務所に忘れてきてしまって、『わが父草田男』の次はこれだ、と思っていたのがちょっと気勢をそがれた状態です。
この本の装幀はおそらく著者自身だと思うのですが、函を含めとてもバランスよく仕上がっていました。
セザンヌの研究書としてどれだけの内容なのかについては何も知らないのですが、私にとってはただその本を手にして活字を追ってみたいと思わせるような本なのです。
今の子どもたちが美術に関心を持ち始めた時、彼らはどのような本を読むのでしょうか。誰かそんなことを調べている人はいませんか。
そういえば先日福岡への帰り道、名古屋方面にある絵本の専門店に行きました。
1930年代〜50年代あたりの北欧の絵本が10冊ばかり並んでいて、どれもとてもいい雰囲気だったのですが、かなり高価なものでちょっと躊躇してしまいました。しかし余裕が出来たらぜひ注文したいと思っています。