昔、齋藤茂吉の息子さん(北杜夫ではない)が酒を飲まないと体調がわるい、と書いていたのを思い出す。家にいると大抵缶ビール1本で済んでしまう。時には余ることもある。別に飲みたくならない。要するにこれはすでに体調がわるくなっている状態なのだ、と思う。動いていない、という結果がこれなのだ。旅先の好調さが自宅で消える。中国清末の革命家、譚嗣同は「仁は流通であり、不仁は閉塞である」と(このかたは敬意に価する人物です)。私はいつも落ち着きなくさまよう運命にあるようです。それが向いているようです。先日BSでロードムービーを途中から見始めて、いったいどこの映画だろうと思いながら見ていたのですが、最後におちがきて、チェ・ゲバラの青春時代だと。ああ、そう言えばいつかDVD屋さんで見かけたあれがこれだったのか、ゲバラってたしかに肺がわるいと言ってたし、予備知識なしで得した、とか思いながら(すみません、私ねたばらしをしているようですが、ジャケットにすでに書いてあったと思うのでこれから見る人、許してください)、老人のロードムービー式放浪でもそろそろやらかすか、と考えたものでした。今も時々やってるようなものですが、繰り返しているうちにいつのまにか軌道をはずれるとか。